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点訳ボランティアに長年携わり厚生労働大臣表彰を受けた 和田信子(わだ・のぶこ)さん

2020年12月31日
 週4~5日、都城市の点字図書館で小説、実用書、専門書など多様なジャンルの書籍を点訳するボランティアに携わり25年。長年の功績が評価され、厚生労働大臣表彰を受けた。「点訳作業は1人では絶対にできない。一緒に励んできた仲間のおかげ」と、感謝の気持ちを忘れない。

 「点訳は根気がいる作業」。文章の内容を理解して1文字ずつ点字に訳し、間違いがないよう複数のボランティアで何度も校正する。最近はイラストや絵文字などが入った書籍も増えており、それに伴い点訳のルールも多様化。第一線で活躍し続けるため日々の勉強を欠かさない。

 子どもが好きで保育士として働いていたが、50歳で退職。その後、長女に勧められて講座を受講し、活動を始めた。これまでに手掛けたのは7万ページ以上。中でも編み物の手順を紹介する「編み図」には定評があり、他県の視覚障害者から直接依頼を受けることもある。

 点訳した全書籍は、日本点字図書館(東京都)が管理するネットワークシステムにアップされ、国立国会図書館(同)の目録に加えられる。手間が掛かる作業だが、多くの人が書籍を手に取ることができることに喜びを感じてきた。

 76歳になった今も現役で、後進の育成に尽力。「人の役に立っていると実感でき、点訳は生きがい。元気があるうちは続けたい」と意欲を見せる。

 趣味は読書。「ボランティアを始めてから多くの書籍に触れたことで、読む本のジャンルが増えた」。都城市内で長女と暮らす。

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