初の応募で最優秀賞を射止めたのは、通っている宮崎市・赤江東中の先生方が太鼓判を押す読書家の2年生。「小学生の頃から感想文が好き。自分が思ったことを素直に書けるから」と文を書くことに力みがない。
受賞作「思いやりの心を大切に」の題材は、昨年8月に職員の新型コロナウイルスへの感染が公表された高校に関する記事と、その高校の生徒らが本紙に寄せた投稿。これらの記事を題材に選んだのは、夏休み中の報道で先輩たちが通う身近な高校が話題となり、「コロナ禍が近くまで来ていることを実感した」からだ。
高校生の「思いやりの心を持って行動してほしいし、行動していこうと思う」との思いに共感した。自身も「感染した人やその家族などの気持ちを考えよう、という気付きを文章から教わった」とつづった。
全県で制約が多かったコロナ禍の中での学校生活。思い出になる行事が次々に減る中、日々戸惑いながらも、自ら「積極的に周りの人と関わるようになった」と感じる。感想文にも「去年と比べて、学級や学校の団結力が強くなった」と、支え合う周囲の変化を記した。成長を感じた1年。「いろいろな自分を生かせる将来を考えていきたい」と落ち着いた口調で丁寧に語る。
「必要なことを短い限られた言葉で伝える」新聞が好きだ。今後も読み続け、「話題を取り込んだり、自分で発信できたりするようになりたい」と言う。部活動の剣道は初段。礼儀やマナーをしっかり教えてくれる両親、小学5年生の妹と宮崎市内で4人暮らし。14歳。