「重責だが経験を生かし、河野知事の県政推進を支える」。入庁40年目という節目に副知事に就任した。新型コロナウイルス対策、ワクチンのスムーズな接種や「第4波」の拡大防止、地域経済の復興―。山積する課題を前に意欲は十分だ。
前職の県教育長在任中には、ICT(情報通信技術)の導入や高校生の実習環境の大幅な改善などに尽力し、「最先端技術という『飛び道具』を活用すれば、他県より早く走ることができる」と実感した。起業の推進など、地方でもさまざまな仕事ができる環境整備を描く。
口蹄疫や宮崎カーフェリーの再建など、前例のない難題を”宮崎ファースト”で乗り切ってきた。敬意を込めて「タフ・ネゴシエーター(手ごわい交渉相手)」と呼ぶ人も多い。「宮崎で生まれて宮崎で最後を迎える。『宮崎だけよければ』とまでは言わないが、『まずは宮崎』という気持ちで乗り越えてきた」との自負があっての人柄だ。
人口減少対策も「2060年時点で80万人超」と高い目標を立てるが、「コロナを言い訳にはしない。任期の1年1年が勝負。結果を求めていく」。また、「地方移住やリモート勤務など、ポストコロナの動きは県内定住やUIJターンの好機」と柔軟な発想だ。
「県庁の仕事はやっぱり面白い」と言い切る。福祉から観光まで分野は幅広く、事業の波及効果も大きい。「職員にはプライドと責任を持ち、積極的に楽しく仕事をしてほしい」。土日は2万歩を目標に妻とウオーキングする。宮崎市出身。62歳。
【写真】宮崎県副知事就任した日隈俊郎さん