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宮崎北署長に就任した 小野 博(おの・ひろし)さん

2021年4月20日
 「自然体で努力すれば、結果はついてくる」。署員約300人の県内最大の警察署トップに就任したが、柔和な表情に気負いは見られない。繁華街やビジネス街、活気づく宮崎駅周辺など、多くの人が集う管内では県内の約4分の1の事件事故が集中。「県内13署の中でも、特に見本となるべき組織。困っている県民に寄り添いつつ、暴力団などの悪に対しては毅然(きぜん)と立ち向かう」が揺るがぬ信念だ。

 延岡市出身で延岡東高(現延岡星雲高)卒業後に県警入り。42年目を迎える警察人生の約半分を警備畑で歩んだ。2000年の九州・沖縄サミットでは各国要人などの警備計画を立案。想定外がないよう緻密な準備に心を砕いた。「映画のように単独プレーで進められることはない。警察はマンパワーの組織。連携が何より大事」

 署員の3分の2が40歳未満。フットワークの軽さ、機動力の高さには秀でるが、経験値では今後の伸びしろに期待。組織全体で対話を重視し、バックアップするつもりだ。「平時は署員の話に耳を傾けボトムアップで、有事は幹部が的確な指示を出すトップダウンで」と弾力的な組織運用を心掛ける。

 新型コロナウイルス感染のリスクを抱える中での警察活動は「難しくなっている」と認めつつ、「捜査をリモートで、というわけにはいかない。事案をほったらかしにはできない」と現場主義を徹底する。

 1日1万歩を目安に10年以上続けるウオーキングの成果で、「20歳から体重の増減はない」と目を細める。宮崎市内の官舎で暮らす。59歳。

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