「訓練と点検は防災の花」と題して共同住宅での消防訓練の重要性を訴え、県消防職員意見発表会(県消防長会主催)で最優秀賞に輝いた。「伝えたいことを伝えられ、貴重な経験と自信になった」と喜ぶ。
管内にある、防火管理者を任命しなければならない共同住宅約100軒のうち、消防訓練を実施したのは昨年度15軒にすぎない点に注目。設備業者と連携して消防設備点検と訓練をセットで行うことを提案した。その効果として訓練の効率化や参加率アップ、職員の技量向上を挙げる。
職員と設備業者が一緒になって訓練をサポートし、設備の取り扱いを指導。訓練後には消防車の乗車体験や放水を実施し、家族ぐるみの参加を狙う。毎回違う建物での車両操作は職員の技量を高め、住民と触れ合うことで防災広報の契機にもなると強調する。「訓練をしている、していないではいざというときに大きな差が出る。住民の意識を変えたい」と願う。
父が営む自動車整備工場で働いていたが、消防士の同級生に刺激を受け、受験対象年齢上限の26歳で挑戦、家族の理解も得て都城市消防局に入った。県消防学校では「最年長で総代に選ばれ、責任や精神力、体力などすべてが磨かれた」と振り返る。
本年度になって救急隊に配属された。「救急救命士の資格を取り、現場で活躍するとともに、予防活動にも力を注ぐオールマイティーな消防士になる」と意欲は高い。28日に福岡県久留米市である九州大会に県代表として出場する。都城市上町に妻(32)と2人暮らし。30歳。