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県教育長に就いた 黒木淳一郎(くろき・じゅんいちろう)さん

2021年4月27日
 新型コロナウイルス禍で昨年度、教育現場は臨時休校が続くなど環境が一変し、児童生徒の学習や部活動などにさまざまな制約が生じた。当初の混乱から1年余りたった今、「できない理由ではなく、できる方法を考えることこそ重要。学びは止めない」と力を込める。

 昨年度就任した副教育長を経て、大役を任された。「与えられた責任や役割を自覚し、前に進みたい」。教え子らから寄せられた就任祝いの花々を前に柔らかな笑みを浮かべる。

 宮崎市・宮崎大宮高を振り出しに、9年間の県教委勤務を含めて36年間、最前線に立ってきた。本県教育を長年見守ってきたからこそ、現場への思いは人一倍強い。「教職員たちはコロナ禍の1年間、答えの見えないトンネルの中で苦労をしてきた。改めて『現場を守ってくれてありがとう』と伝えたい」

 教職員の人材確保や働き方改革など一朝一夕に解決できない課題が山積している。教壇では、子どもたちに違う世界を知り、見識を広めてほしいという意味を込めて「背伸びをすることの大切さ」を説いてきた。今は教育行政の旗振り役として「じっくりと腰を据え、現場と一緒に解決を図っていきたい」。

 西米良村出身。3月に89歳で天国に旅立った父・幸雄さんも、同村教育長を10年以上務めた教育者だった。ことあるごとに「宮崎の教育を頼む」と背中を押し続けてくれた父に、県教育行政の長に就くことを報告でき、「親孝行ができたかな」と目を細める。宮崎市内で妻と次男と3人暮らし。61歳。

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