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小林市議会議長に就任した 森田哲朗(もりた・てつろう)さん

2021年6月10日
 2019年の統一地方選で、初めて無投票となった小林市議選。「なり手不足を解消するため、市民から評価される議会でなければ」と訴えた議長としての所信表明の裏には、この2年間で幾度となく市民から寄せられた「今の議員たちが何をしたいのか分からない」という厳しい言葉がある。

 西都市出身。宮崎市の旧宮崎大淀高(現宮崎工業高)から、都内の大手電機メーカーの設計部門に就職。働きながら神奈川大を出て、その後は関西の情報関連会社に勤めた。定年退職後の05年、60歳で妻・加奈子さん(73)の古里小林市に移住。地元市議から「外の経験を役立ててほしい」と後任を託され、11年に初当選した。

 「よそ者に本当に務まるのか。初めての議会では足が震えた」。不安にあらがうように、とにかく一般質問に立ち続けた。意識したのは仕事の経験や移住者の視点を盛り込むこと。市役所住民情報システムのクラウド化や木造の新庁舎東棟など実現につながった手応えのある質問もある。

 議員生活も3期目。自分なりにたどり着いた答えは「議員ごとに地元も、歩んできた人生も違う。それぞれの視点で市に課題解決策を提案し続けることが、議会の存在感につながる」ということ。若手には「これと決めたテーマについては、何を言われようが何度でも質問して」と求める。

 現在は中断しているが、本紙「窓」面への投稿掲載は05年から107回を数える。10年続ける登校見守りで、子どもたちと交わすあいさつが元気の源。同市堤で妻と2人暮らし。75歳。

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