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上智大学長に就任した 早下隆士(はやした・たかし)さん

2014年5月1日
 「教職員一丸となって新しいプログラムを打ち出し、学生たちをさらに伸ばしたい」。創立101年目の歴史を踏み出す使命感を持つ。その一環として、学生約1万2千人のうち、留学生を現在の約1500人から6年後には約2600人に増やすなど、グローバル化を一層進める。

 2010年から今年3月までの理工学部長・理工学研究科委員長時代、語学力向上のため英語コースや留学制度を導入したり、女性研究者を増やしたりする改革を実現。その過程で、教職員や理事らとの対話の大切さを実感した。「皆が同じ方向を向いた時に歯車がかみ合う」 子育てを通じて、重病の子どもたちに明るく接する看護師に心を打たれた。その思いを胸に刻み、カトリック系大学としての教育精神「他者のために他者とともに生きる」と重ねる。聖書に記してある、敵対関係にあるユダヤ人が倒れているのを救う「良きサマリア人」の福音も大切にする。

 宮崎市出身。宮崎大宮高を卒業後、九州大、同大学院と進学。神奈川大助手を経て「チャンスを生かそう」と米テキサス工科大で博士研究員を約2年間務めた。佐賀大、東北大で助教授、05年から上智大教授。専門は分析化学、超分子化学。

 高校時代はバレーボール部のキャプテンだった体育会系。同大学男女バレー部の顧問も務める。本県の学生たちに「多くの人と出会って、さまざまなことにチャレンジしてほしい。必ず道は開ける」とエールを送る。さいたま市に家族5人暮らし。56歳。

 
(東京支社報道部次長・中山貴史)

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