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全国高校総体空手男子組手団体を制した宮崎第一高監督 花車泰平(はなぐるま・たいへい)さん

2021年8月24日
 母校に指導者として戻って3年目、24歳の青年監督が自身も「まさか」と驚く快挙を成し遂げた。女子は過去7度優勝を誇るが、男子では2度目。2012年のアベック優勝以来、8大会ぶりの日本一に「長らく結果を残せていなかった。目標を達成できたのが一番の喜び」と語る。

 高1の時、先輩たちが日本一になる姿を見て刺激を受けた。宮崎産業経営大では日本代表強化選手に選ばれ、国際大会で優勝も。そんなとき、恩師の図師幸一監督(72)=現総監督=から卒業後に来ないかと声が掛かった。選手で東京五輪を目指すか、母校で指導者になるか。悩んだ末に「先生に恩返しがしたい。教員になり子どもたちに夢をつなごう」と決断した。

 図師総監督の下、短時間で質の高い練習を心掛けた。一人一人と交わす日誌で悩みを聞き、自らも省みてきた。

 赴任した年に入学した今の3年生には思い入れが強く、高橋遥音主将に「3年の年に日本一になるぞ」と言い続けた。今大会、団体戦では高橋らエース3人を中心に強豪を撃破。大将戦にもつれた決勝も粘り強く競り勝った。「一緒に成長し、一緒に戦う」結束力の強さで栄冠を引き寄せた。

 新富町の道場「新富和道会」で鍛えて宮崎第一高へ。2歳上の兄勇武(いさむ)さん、一つ上の姉李(もも)さん、同高2年の妹美空(みく)さんと、きょうだい4人とも同じ道を歩んできた。支えてくれた父秀樹さんは2年前に54歳で亡くなり、仏前に日本一を報告。「やっとスタートラインに立てた」と今後を見据える。宮崎市清武町加納。

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