11歳のあどけない少年が、本県囲碁界に久しぶりの吉報を届けた。東京都で今月開かれた「第42回少年少女囲碁全国大会」小学生の部で、県勢11年ぶりとなる3位に入賞。「ベスト8以上が目標だったのでうれしい」と声を弾ませた。
同部には各都道府県の代表72人が出場。「緊張はなく、盤面に集中できた」と、気後れせず実力を発揮し、正確な読みと判断力を武器に勝ち星を重ねた。優勝した東京の選手に準決勝で惜敗したものの、気持ちを切らさず3位決定戦を制した。
初出場した3年前は予選敗退だったが、そこから研さんを積み全国クラスの打ち手に成長。「いつも応援してくれるみんなに喜んでもらえてよかった」。会場で見守った母方の祖父最上川良一さん(77)、母暁子さん(45)ら家族に結果で恩返しした。
三股町・三股小の5年生。5歳の頃、良一さんに連れられ、近くの「五本松子ども囲碁教室」で競技を覚えた。指導する大島國壯(くにたけ)さん(84)は「初めは目立つ存在ではなかったが、練習を休まずこつこつと強くなった」と、努力に目を見張る。
県内のトップアマチュアからも注目の的。昨年度の「アマ宮崎本因坊戦」では史上最年少でベスト4に勝ち進み、周囲を驚かせた。将来を期待される大器は「来年は全国1位か2位になりたい」と、遠慮がちにはにかんだ。
家庭では弟亮太君(8)の面倒を見る優しい兄。好きな科目は図工で、囲碁の合間には恐竜図鑑などにも熱中する。同町に家族4人暮らし。