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宮崎銀行員から宮崎大地域資源創成学部教授になった 杉山智行(すぎやま・ともゆき)さん

2021年10月9日
 公募に手を挙げ、みやぎん経済研究所主席研究員から転身、1日付で就任した。同研究所に15年余り籍を置き、膨大なデータの収集・分析ときめ細かなヒアリング、鋭い考察で県内経済動向の今に迫ってきたプロフェッショナル。地銀の現役行員が国立大教授となるのは全国でもほとんど例がない。

 宮崎市生まれ、宮崎北高―高知大卒。宮崎銀行には「顧客の元に何度も通って信頼を得て、悩み事解決の力になれる仕事に醍醐味(だいごみ)を感じ」1993年に入行した。「約30年間育ててもらい、鍛えてもらった。培った経験・知見をアフターコロナや人口減社会の備え、地域活性化の実践に生かしたい」と抱負を語る。大学では観光、産業政策を教え、デジタルトランスフォーメーション(DX)やビッグデータなども研究する。

 初講議は4日。「スパーンと直球で、的を射た質問が返ってくる。胸が高鳴った」と手応え。「学生はピュア。物事をシンプルに考えるからこそ本質に結び付きやすい。そのポテンシャルを伸ばせたら本望」

 海外では地域が元気にならないのは大学の責任が大きいともいわれる。「米国などは大学があるところに産業が興り、有能な人材が集まり発展していく。地域、大学の価値を高めるとともに、地方が好き、宮崎が好きという学生を育てたい」

 祖父の故敏郎さんは東京教育大(現筑波大)の考古学教授で、戦前に当時日本最古の3億年前の化石(クサリサンゴ)を発見する功績を残した。「祖父に恥じない仕事をしなければ」。一男一女は独立し、宮崎市に妻と2人暮らし。50歳。

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