少子化進行、大学全入時代の到来-。地方の大学をめぐる環境は厳しさを増している。「旧態依然としていては生き残れない。10年、20年先を見据えた変革が迫られている」と話し、「大学の使命は有能な人材を世に送り出していくこと。社会のニーズに応え、さらに必要とされる大学を目指したい」と決意を語る。
鹿児島県伊佐市出身。都城泉ケ丘高、九州歯科大研究科を修了後、同大学助手に。治療成果がすぐ表れる外科手術に面白みとやりがいを感じ、口腔(こうくう)外科の道を進んだ。1979(昭和54)年からは宮崎医科大学(現宮崎大学医学部)に勤務し、同大学付属病院副院長や医学部長を歴任した。
多くの卒業生が医療・福祉の道に進む九州保健福祉大。学生に求めるのは、自ら学ぶ姿勢だ。自身の経験から「臨床の現場では、独自に判断しなければならない場面が多々ある」と話し、学長就任後の入学式でも「積極的に疑問点を見つけ、解決する力を養ってほしい」と訓示した。加えて、人間らしさの大切さも強調する。「苦しいことも笑い飛ばせるような強さ、いろんな人とフランクに付き合える人懐こさ。結局は、人とのつながりが一番大切だから」。
フランスの作家アンドレ・ジッドの作品で知った、新約聖書の言葉「努力して狭き門より入れ」が座右の銘。趣味は沖釣り。「釣れない日もあるが、さおを垂らしてぼーっとするだけでも気晴らしになる」。宮崎市の自宅から通勤しているが、近々延岡市へ単身で移る予定。66歳。
(延岡支社・佐藤友彦)