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高校野球の第149回九州大会県予選で初優勝した小林秀峰高の監督 岩切隆公(いわきり・たかひろ)さん

2021年10月23日
 小林秀峰高の監督として故郷に戻って3年目、学校初の県大会優勝に導いた。飛び抜けた選手はいないが全員が攻守に堅実なプレーを貫き、日章学園や日南学園など強豪私立校も次々撃破。「それぞれがやるべきことをやった」と、快進撃を見せた選手をたたえた。

 前任の宮崎工高で2010年春と12年夏の2度、甲子園に導いた。小林秀峰に赴任した当時、「生徒数が少ないせいか、自分をアピールしない」と”違い”を感じた。練習試合で毎回メンバーを変えるなど、チャンスを平等に与えて競争心を植え付けた。今大会序盤もスタメンを固定せず。初戦の翌日、出場しなかった選手が悔しそうにバットを振る姿を見て、手応えを感じた。

 小林高時代は外野手としてプレー。佐賀大では故障からグラウンドを離れた。その後臨時教員の傍らコーチを務め、夢中で白球を追う選手たちを見て情熱がよみがえった。「いかにミスを少なくするか」「技術的なことは怒らない」「選手に考えさせる」。指導法は一貫して変わらない。キャッチボールやコンパクトな打撃といった地道な練習の積み重ねが、緊迫した展開でも力を発揮できる土台になると信じる。

 閉会式前、喜びに浸る選手をたたえつつ「ここで終わりではない。気持ちを切り替えよう」と話した。引き締まった表情で大きな掛け声を響かせ、グラウンドを一周する選手たちに「まだまだ伸びる」と確信。11月6日開幕の九州大会も「いつも通りの野球をするだけ」と気負いはない。小林市に妻と長女の3人暮らし。50歳。

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