9月に発足したデジタル庁。統括官は事務方トップのデジタル監、デジタル審議官に次ぐポスト。省庁業務サービスグループ長として約130人の部下を率いる。
宮崎市出身で3人兄弟の末弟。宮崎南高から東京大法学部に進学した。国土交通審議官を務めた長兄・康弘さん(61)の影響もあり、「国の政策を企画・立案することで、地方の活性化につなげたい」と官僚を志望。卒業後の1987(昭和62)年、旧自治省に入省した。内閣参事官だった2010年以来、マイナンバー制度の立ち上げ・整備に携わってきた。「現在約4900万枚のマイナンバーカードが交付され、よく広がった。使い勝手を改善してもっと普及させたい」と思いを込める。
新たなポストでは、年金や国税など国の基幹システムの統合・刷新や、文書管理などシステムの整備・運用することで、政府が進める行政デジタル化の旗手を担う。各省庁との連携も求められる。「バラバラに整備されてきた国のレガシーな(古い)システムを刷新することで、コストの大幅削減につなげなければならない。国民の負担を減らして役立てるようにしたい」
「行政手続きではデジタル化されていない部分が多い」とし、「全ての国民がスマートフォンを使って1分で手続きが完了する仕組みを実現させたい」と意気込む。
今春、高度IT人材となるために必要な知識・技能を示す国家試験・応用情報技術者を取得。さらなる資格取得を目指して通勤電車の中でも勉強に励む。川崎市の自宅に妻と娘2人の4人暮らし。57歳。