地域、交通警察分野で治安維持に尽力し、他の警察官の模範になったとして、本県から1人選ばれた。現在は日向署交通課の交通規制係長として、標識の設置や通学路などで最高速度を制限する「ゾーン30」の規制などに力を注いでいる。「がむしゃらにやってきた40年だった。先輩や同僚に恵まれたおかげ」と受賞に?を緩める。
1982(昭和57)年拝命し、地域、交通畑を中心に歩んだ。高鍋署の交番勤務だった2003年には、管内で連続発生した空き巣事件の解決に奔走。宮崎北署交通課の事故捜査係長だった15年10月には、宮崎市の高千穂通りで高齢者が運転する軽乗用車が歩道を暴走し、2人が亡くなる痛ましい事故が発生。徹底的に現場を分析し、原因究明の指揮を執った。
「何も悪くない被害者が事故で命を落とし、遺族が悲しむ姿を見てきた。一件でも減らしたい」。事故のない地域づくりへの強い使命感を胸に、日ごろから現場、交通状況などの確認を欠かさない。道路標示が薄れていないか、標識は分かりやすい場所にあるか―。「常に地域に目をやり、気付ける視野を持つことが大事」と力を込める。
一方で、規制の難しさを感じることも。規制を増やすだけでは、スムーズな交通の流れを損なうため、「住民の声に耳を傾け、地域の交通網で『円滑』と『安全』を両立させる必要がある」。
宮崎市出身。3人の子どもは独立し、妻を同市の自宅に残して日向市の官舎に単身赴任中。自炊を始め、「毎日がキャンプのよう」と笑顔を見せる。59歳。