川南、都農町を管内とするJA尾鈴女性部の広報誌「すみれ」を7年間執筆している。同誌は2カ月に1回、約1700部が同JA職員の訪問先の家庭に行き渡る。A3判の表裏を目いっぱい使って、女性部の活動や部員らの声、手芸や料理、健康情報を広く紹介。高齢の愛読者の要望に応えて毎回、手書きでしたためる。「女性の楽しい活動の様子を紹介することで仲間の輪を広げたい」と朗らかに笑う。
2012年に夫・友一さん(享年64歳)が病気で亡くなってから1年以上、自宅に閉じこもり人と話すのを避けた。知人の依頼で女性部役員を引き受け、15年から同誌を担当。取材を兼ねて地域の催しに参加、人と触れ合ううちに「心の穴が一つずつ埋まって、いつの間にか元気になっていた」。
新型コロナ禍で女性部の活動が制限され、一時は休刊。だが「活動できないときこそ部員をつなぎたい」と話題収集に奔走し復刊にこぎ着けた。こうした経験を今月10日、県家の光大会(JA宮崎中央会主催)で発表した。来年2月には本県代表として、「すみれ」を執筆する上で参考にしている雑誌「家の光」の活用体験発表大会に出場する。「JA尾鈴の代表として女性部や『すみれ』をPRしたい」と意気込む。
肝臓がんを患って10、11年に手術を受けた。「自分らしく生きた証しを残したい」と子ども2人との欧州旅行を実現するなど「元来前向きな性格」。川南町内の介護施設に勤務。同町仲町に長女と2人暮らし。77歳。「ばあば」と甘える1歳の初孫が生きがい。