「逃げなければいまよりいい明日がくる」。柔らかな表情の中に、心の強さをのぞかせる。宮崎商工会議所会頭で父充典さん=米良電機産業社長=の背中から学んだ。
充典さんが中心となって設立したスカイネットアジア航空(ソラシドエア)が経営の危機にひんしたときだった。「矢面に立ち再建に走る父に経営者の姿を見た」 2018年の日本商工会議所青年部連合会(YEG)の全国大会招致が目標。YEGが23年目を迎えるが本県は未開催。それだけに決意は固い。
ライバルは同じ九州の長崎、熊本。「実現すれば約3億円の地域経済効果のほか、県内企業の販路や商流の拡大も期待できる」。開催地決定は今年10月。「一致団結して招致活動しなければいけない」 米良電機産業常務のほか、12日には橘百貨店とエアラインホテルを傘下にする橘ホールディングス社長に就任したばかり。「立場上、お膳立てもあるが、目の前にきたお膳は全部食べる性格」 全国出張が多く、スケジュール帳は予定でびっしり。合間を縫うようにYEGメンバーや知人との飲み会にも頻繁に顔を出す。後輩経営者を鋭く激励する姿から「兄貴分」と慕われる。
「宮崎が好き。生まれ育った土地が疲弊していくのは忍びない。次世代に責任を持てるよう、どれだけ全力投球できるか」と熱く語る。
趣味はスキューバダイビング。「宮古島の海が特に好き」。充典さんの次男。日向学院中高から青山学院大卒。宮崎市在住。37歳。
(経済部・巣山貴行)