署員約300人を抱える県内最大の警察署トップに就いた。発生中の事件解決はもちろん、暴力団対策、ストーカーや児童虐待といった事案への対応、高齢者の事故防止や防災対策の啓発―。「全ての部署で力を発揮し、宮崎の『中心』の安全安心を守る」。柔らかな語り口の中に、県都の治安維持へ向けた強い決意をのぞかせる。
都農町出身。1986(昭和61)年に県警入りし刑事、交通、生活安全など幅広い部門に従事。「一度事件や事故が発生すれば被害の回復は難しい。命が失われるケースではなおさらだ」。数々の現場に立ち会った経験から、「警察官として事件事故の未然防止が最も大切」と力を込める。
「安全で安心して暮らせる社会をつくることが警察行政の目的」と肝に銘じ、実現には県民との協働が不可欠と考える。信条は「県民の納得と支持が得られる仕事」の遂行。署員には「一人一人が持ち場で知恵を絞り、工夫して取り組んでほしい」と、自発的に仕事に臨む姿勢を求める。
業務の効率化による署員のワークライフバランスの推進、次代を担う若い人材の育成にも力を注ぐ考えだ。
座右の銘は公私を問わず、迷った際に思い浮かべるという「前後際断」。過去にとらわれたり、未来を憂いたりすることなく「今やるべきことに全力を注ぐ」と常に心掛ける。署員にもそう説いた。
宮崎市フェニックス自然動物園の開園時からの大ファン。「マサイキリンの第2子を見に行くことが今の楽しみ」と目を細める。同市の自宅を離れ、官舎に妻と暮らす。59歳。