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高校野球の春季九州大会に出場する宮崎学園高監督 崎田忠寛(さきた・ただひろ)さん

2022年4月21日
 「ピンチこそ気持ちを強く、立ち向かえ」。培ってきた信念で選手を鼓舞し、今月初めに行われた九州大会県予選を制した。県レベルの大会優勝は就任12年目で初めて。宮崎市で23日開幕する本大会へ「うちらしい粘りで夏につながる戦いを見せる」と闘志を燃やす。

 長崎県諫早市出身。長崎日大高が春夏3大会連続で甲子園出場した際、いずれもマウンドへ。「いいバッターほどギアが上がった」と果敢に勝負し、3年夏に完封勝利も手にした。国学院大に進んだが腰の故障もあり、プロや社会人から声はかからず。「鍛錬が結実するうれしさを指導者の立場で伝えたい」と卒業後、日体大に2年間通って体育教員免許を取得。知人の紹介で24歳のときに宮崎学園高コーチに就任し、5年後に監督になった。

 ピッチャー育成には定評があり、ドラフト6位指名で今季オリックス・バファローズ入りした横山楓投手らを育てた。攻守とも体の使い方、間の取り方など基本を徹底。成長の糸口をつかんでほしい場面でアドバイスし、起用のタイミングなども熟考。選手自ら課題に気付くよう仕向ける。「型にはめると引き出しがなくなる。伸びるのは自分で考えられる子」と熱っぽく語る。

 チームはまだ甲子園の経験がない。「あの喜びを知ったから指導者になった。人生を左右する舞台に連れていきたい」。妻、長女(2)、0歳の長男と宮崎市在住。子どもと公園に出かけても頭は野球から離れず、「気が付けばスマホでチームの戦績やデータを振り返っている」と苦笑い。40歳。

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