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県男女共同参画センター所長に就任した 冨山幸子(とみやま・さちこ)さん

2022年4月24日
 長引くコロナ禍で、本県でも非正規雇用の雇い止めやDVなど、女性を取り巻く状況が深刻化している。ジェンダー不平等への問題意識が高まる中、県男女共同参画センターの所長に就任した。「誰でも気軽に利用できるセンターづくりを心がけたい」と話す。

 神奈川県出身。高校まで横須賀市で過ごした。幼い頃から理系科目が得意で、両親が宮崎市出身という縁もあり、進んだ宮崎大で化学を専攻。1980年、県庁に女性初の化学職で入庁した。

 県工業試験場(当時)を振り出しに、産業振興や環境保全、企画調整部門を渡り歩き、県工業技術センター所長などを歴任した。「職場は男性がほとんど。女性と仕事をすることに戸惑う人もいたかも」。ただ「仕事で結果を出し続けるうちに、そうした”違和感”はなくなった」と話す。

 男女共同参画分野は初。「仕事で携わってこなかったが、一から勉強したい」と意欲を語る。就任後、周囲の話を聞くうちに「日本の経済成長が伸び悩む原因に、ジェンダー平等への取り組みの遅れもあるのでは」との思いも生まれた。

 長らく産業振興部門に身を置いた経験や人脈を生かし、「社会で活躍する女性を迎え、ジェンダー平等を考える講演会を開きたい」と構想。弁護士など専門家と連携したセンター相談窓口の利用促進や、DV防止に向け若者世代への啓発・教育にも注力する考えだ。

 「人口減少社会で人材が限られる中、多様性を尊重し合い生産性の高い宮崎づくりに貢献できれば」と穏やかな笑顔で語る。65歳。

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