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県病院局長に就いた 吉村久人(よしむら・ひさと)さん

2022年4月26日
 総務部長を最後に38年間務めた県庁を3月末で退職。今月から宮崎、延岡、日南の県立3病院を束ねる県病院局のトップに就いた。新型コロナウイルス対応を含め、ニーズが多様化する本県医療を支える大役に「県民の命を守る重責。使命感に身が引き締まる」と覚悟をにじませる。

 3病院の2020年度決算見込みは、3年ぶりの黒字決算に転換。ただ診療報酬のマイナス改定が続くなど経営環境は厳しく、「質の高い公的医療を提供し続けるためにも、経営改善への努力は不断のテーマ」と語る。

 1月に移転新築し最新の医療機器を備える宮崎病院について、「雰囲気も明るく、スムーズな走り出しと感じる。患者さんも以前より快適に過ごせると思う」と期待を込め、「医療の質向上に向けて、職員研修の充実などにも取り組みたい」と意気込む。

 県庁勤務のうち3分の2は総務部門で、「組織は人なり」との思いで、職場や職員間、ときには市町村との関係づくりに心を砕いてきた。2024年度から医師の時間外労働の上限規制が施行されることも念頭に、「子育て中の人などを含めすべてのスタッフが安心して継続して働ける環境づくりをしたい」と、働き方にも注意を配る。

 野尻町出身で、九州大法学部卒。日課のウオーキングは「一日1万歩」が目標。妻(58)との買い物の帰り道に途中下車し、普段と違うルートを探索するのも楽しみで、「ちょっとした冒険心を味わえる」と笑う。宮崎市で妻、10歳の保護ネコと暮らす。60歳。

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