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県警初の女性警視となった広報官 森山かおり(もりやま・かおり)さん

2022年4月27日
 「これからも女性警察官としての道を切り開いていけたら」。この春昇任し、小林署副署長と共に県警初の女性警視になった。プレッシャーも感じるが「これまでと同じように、まずは与えられた仕事を全うしたい」と自然体で臨む考えだ。

 県警の女性警察官1期生。進路に悩んでいた小林高3年生の夏ごろ、父親の運転する車が飲酒運転の検問で止められた。その時の警察官との会話がきっかけで、県警が翌年の1990年から戦後初めて女性警察官を採用すると知り、この道へ飛び込んだ。高千穂通交番を振り出しに警務、刑事、生活安全、警備畑と幅広く歩んできた。

 強く記憶に残るのは警部補、警部時代に通算8年在籍した犯罪被害者支援室での経験。多くの被害者、遺族と接する中で「知っているようで知らなかった」当事者の苦しみを痛感した。「社会の理解はまだまだ。警察、行政などそれぞれの立場で取り組まなければ」

 私生活では97、99年に2人の子宝に恵まれた。1人目の育児休業を終え都城署に復帰した頃、子どもがインフルエンザにかかり肺炎に。仕事を休めず、川南町の実家に1カ月預けることにした。その帰り道はずっと涙が止まらなかった。

 当時は1年だった育休期間は、今は3年に延びた。時短勤務や勤務時間変更も導入され、働きやすい環境が整備されてきた。「自分が切り開いた道は荒削りで細い道。後輩たちが道を広げ、多くの分岐点をつくってくれた」とほほ笑む。宮崎市に次男、猫と暮らす。50歳。

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