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県消防職員意見発表会で最優秀賞になった 大久保晃成(おおくぼ・こうせい)さん

2022年4月28日
 「すべての教育現場で迅速な救命措置の仕組みをつくれないか」。親戚の教師から、授業中に心肺停止になった生徒を救命した話を聞き、考えを巡らせた。今月あった県消防職員意見発表会で、まとめたアイデアを披露し、最優秀賞を獲得。「自分の考えで助かる命が増えればうれしい」と笑顔を見せる。

 発表では「AED(自動体外式除細動器)操作」「119番通報」「患者情報の聴取」の手順を記したアクションカード活用を提言。緊急時に慌てず的確に対処できるようにするのが狙いで「学校によって救命レベルに差があってはいけない。多忙な先生を助ける手段を考えた」。生徒にも救命法を教えることで、命の大切さや社会貢献の意識を持ってもらえるとも説いた。

 教育に強い関心があるのは教員免許を持つ経歴から。熊本大教育学部在学中の2012年、九州北部豪雨が発生。浸水した教授宅で土砂の撤去を手伝うなど被災状況を目の当たりにし、「人の命や生活を守る仕事に」と消防士の道を選んだ。

 宮崎市消防局入局後は、火災や救命の現場を担当。20年7月の九州豪雨による熊本県人吉市での救助活動では「助けた人や家族からの感謝の言葉が忘れられない」とやりがいを感じると同時に、自主防災の重要性を実感。市民への啓発にも目を向けるようになった。

 宮崎南消防署青島出張所に勤務。体力錬成を欠かさず、ベンチプレスは165キロを挙げる。休日は趣味のサーフィン、妻えりかさん(28)、長男憲晴(けんせい)ちゃん(1)との公園巡りが楽しみ。宮崎市在住。31歳。

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