県内女性棋士の頂点を決める宮日女流王位戦。2年前に将棋を始めたばかりの11歳は予選から順調に勝ちを重ね、初の栄冠を手にした。「落ち着いて悔いのない対局ができた」とあどけない笑顔で喜んだ。
コロナ禍で増えた「おうち時間」を充実させようと、小学4年生だった2年前に弟2人と将棋を始めた。その年の夏から宮崎将棋道場(宮崎市)に通い始め、将棋にのめりこんでいった。将棋の魅力は「年齢や性別に関係なく楽しめるところ」だという。同程度の棋力の女子小中学生が集うオンライン対局コミュニティーにも入り、腕を磨く。
初挑戦した昨年の同女流王位戦は挑戦者決定戦の準々決勝で敗退。2度目の挑戦で女流王位と対局するチャンスをつかんだ。4月にあった第1局で先勝してからは「次の対局のことばかり考えていた」。パソコンで好手を検討したほか、戦法の本も熟読。互角の棋力を持つ弟の雅春君(9)との対局を重ねて勝利を目指した。
駒を模したヘアゴムと、駒形のヘアピンがお気に入り。オンライン対局で知り合った友人にプレゼントされたもので、「一歩一歩着実に強くなりたい」との思いを込めて身に着ける。対局には欠かせないアイテムだ。
「今はとにかく将棋が大好き」だが、読書も趣味の一つ。子どもたちが事件を次々と解決していく「探偵チームKZ(カッズ)事件ノート」を読むのが好きで、「日常生活で役立つ豆知識がちりばめられているのが面白い」。宮崎市・生目台西小6年。