「子育てにおいて、父親には父親の役割があると気付いてほしい」。父親の育児参加を支援する県内初の市民団体「ファザーズ・みやざき」の初代代表として活動方針を語る口調は、穏やかな中にも熱がこもる。
宮崎市の高校を卒業後に上京し、専門学校を経てテレビ番組の制作会社に勤務して1997年に帰郷。広告デザインの仕事に就いた後、現在8歳の長男を授かる。当時、育児とはほぼ無縁で、ミルクを作った程度。「何をしたらいいか分からなかった」と振り返る。
子育て支援に関わったのは、ボランティアで子どもの写真の撮り方を講習したことがきっかけ。講習を知った児童虐待防止を推進するNPO法人から声が掛かり、虐待防止などで本格的に活動を始めた。その中で知り合った有志と「父親が育児を楽しめるようにしたい」と意気投合し、今年5月、ファザーズ・みやざきを立ち上げた。
活動の中心に据えるのは、育児に悩む父親への情報発信や、育休の取得など父親が育児に参加しやすいよう企業に理解を求めること。さらに「父親は子どもを感動させることも役割」との思いから、父子対象のキャンプも計画する。“アウトドアの達人”を招いたバーベキュー講座をメーンに打ち出す方針で、「男性は明確な目的があった方が参加したくなる。男心をくすぐりながら育児参加の機運を高めたい」。
趣味は子どもと遊ぶこと。「遊び方は子どもに考えさせ、それにひねりを加えるようにしている」と笑う。同市に妻と長男と住む。39歳。
(文化部・成田和実)