土地や建物の登記、戸籍や人権擁護など生活に密接した幅広い業務を取り扱う。「生まれてから亡くなるまでの人生の分岐点に関わる仕事。県民に頼られる法務局を目指す」。初の局長ポストに就き、熱く抱負を語る。
福岡県朝倉市出身。大学卒業後、1988(昭和63)年に福岡法務局甘木支局(現朝倉支局)へ配属され、以後、さまざまな部署や業務を経験してきた。
印象に残るのは2017年に同市でも甚大な被害が出た九州北部豪雨だ。所有者不明の土地が災害復興の妨げにならないように、対応に当たる法務局の仕事の重要性と責任、そしてやりがいの大きさを再認識した。
本県でも南海トラフ巨大地震などの自然災害が危惧されることから「災害復興や公共工事が円滑に進むよう、平時から所有者不明土地の解消に力を入れていく」と見据える。
「仕事を進める上で対話が大切」。前任の神戸地方法務局ではテレビ会議システムなどを活用し、コロナ禍でも住民や職員とコミュニケーションが取れるよう態勢を再構築。宮崎着任後は、職員に「積極的に外に出て啓発などに取り組んで」と呼びかけた。
インターネット上の中傷のほか、コロナ感染者や医療従事者らへの偏見や差別に関する相談も増加。「一つ一つ丁寧に対応したい」と力を込める。市町村など関係機関とも連携し、無戸籍者解消にも尽力していく。
活発な性格で「休日は家でじっとしていられない」と笑う。本県でサーフィンに挑戦したいという。福岡市の自宅に妻を残し単身赴任。56歳。