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第12回みやにち夢ひろがる小品展の通常部門で大賞に輝いた 日高正雄(ひだか・まさお)さん

2022年6月4日
 「まさか自分が」。絵画に取り組み始めてわずか3年で「みやにち夢ひろがる小品展」の最高賞をつかみ取り、信じられない思いでいる。ただ、過去の同展で優秀賞と努力賞を受けていて、着実に力を付けてきたことを証明した。「大きな賞をもらい、これから描くのがますます楽しくなりそう」と笑顔を見せる。

 今回題材にしたのは、宮崎市の宮交ボタニックガーデン青島(県立青島亜熱帯植物園)で見かけたビロウの葉。柄の部分の滑らかな曲線に心引かれ、光と影を意識しながら立体的に仕上げた。審査員に認められ「直感を信じてよかった」と胸をなで下ろす。

 同市で広告関連の会社を営んでいた頃は仕事に追われ、「絵を描きたい」という夢をかなえられずにいた。65歳で息子に譲ってから時間的な余裕ができ、絵画教室に通うように。遠近感の出し方やマチエール(絵肌)の工夫などを日々学んでいて「知れば知るほど奥が深い」と面白さを実感している。

 週に3回、アトリエで絵に向かうが、普段の生活も創作の延長上にある。散歩しながらモチーフを探したり、晩酌をたしなみながら色の組み合わせを考えたり…。教えられた技術を生かし、画面を自分なりのイメージに近づけていく作業にのめり込んでいる様子で「次から次にアイデアが浮かび、尽きることがない」というほど。

 新型コロナウイルスの流行が収束したら「宮崎とは異なる景色が広がる山陰地方を訪ね、絵を描きたい」と意気込む。宮崎市出身の68歳。

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