「食料自給率の低迷、燃油高騰など農家が抱える問題解決に真摯(しんし)に取り組んでいきたい」。九州の若手農家約1万人のトップに先月就任し、国内有数の食料基地として全国を引っ張る決意を新たにした。
日南市南郷町出身。日南農林高(現・日南振徳高)を卒業後、愛知県で飲食関連に就職したが、「時間に追われる都会より、古里でゆっくり農業をしながら子育てをしたい」と30歳で帰郷した。
実家を継いでハウスキンカンや露地ミカン、水稲を栽培。手をかけた分だけ結果が出る農業にやりがいを感じており、天候に関係なく、品質も安定している施設園芸の規模拡大も視野に入れる。
所属するJAはまゆう青年部では、子どもたちへの田植えや稲刈り体験を通じた食育に取り組んできた。2017、18年度に同JA青年部長、19、20年度に県農協青年組織協議会副委員長を歴任し、「尊敬する先輩たちのように自分もなりたい」と、21年度からは同協議会委員長を務める。
ロシアのウクライナ侵攻などにより、トウモロコシや大麦の価格が高騰。JAグループが提唱する、国民が消費する食料は輸入に頼らず国内で生産するという「国消国産」の重要性を改めて痛感し、「九州の若手農家の思いを一つにまとめ、国に働きかけていきたい」と意気込む。
趣味は帰郷後に始めた磯釣り。休日には、農家仲間やJA職員とメジナなどを地元沖磯で狙う。少年野球をしている長男ら子ども3人の成長が何よりの楽しみ。同町で妻友莉さんと5人暮らし。40歳。