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デフリンピックサッカー日本代表 押領司真奈(おうりょうじ・まな)さん

2022年7月24日
 聴覚障害者が補聴器を外してプレーする「デフサッカー」。アイコンタクトと手話で連携を取り、ゴールを狙う。サッカーの経験はなかったが、県立都城さくら聴覚支援学校中学部3年の時、障害者サッカークラブなどの代表を務める秋本範子さん(43)に誘われ競技を始めた。

 運動好きで高等部時代は平日は陸上部、週末はサッカーの練習に励んだ。休み時間は友達とボールを追い、帰宅後は壁当てをするなど競技熱は高まった。16歳から日本代表合宿に参加し、レベルを上げている。同校卒業後は、けいめい記念病院(国富町)でリハビリ助手として働く傍ら、女子サッカークラブ「ヴィアマテラス宮崎」に所属。就業後と休日の週3日、宮崎市で同クラブの中高生らと元気いっぱいグラウンドを駆ける。

 今年5月、ブラジルであった聴覚障害者の国際大会「デフリンピック」が自身初の国際試合となった。「海外の選手は体が大きくて飛ばされそうだった」が果敢に攻め、得点を決めた。「サッカーの楽しさを改めて感じた」一方、メダルには届かず「ドリブルで抜き、シュートを決める選手になる」と目標を掲げる。

 デフサッカーの女子選手は少なく、日本代表は九州で1人。「仲間とパスをつなぐ楽しさを広めたい」と普及を願う。

 小林市出身で、生まれたときから耳は聞こえない。性格は「いつもポジティブ」と周囲の信頼は厚い。仕事後の青島へのドライブが楽しみ。宮崎市にある同クラブの寮で暮らす。19歳。

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