経営する三股町の養魚場兼観光施設しゃくなげの森が、環境教育促進を目的とする「体験の機会の場」第1号として県から認定された。「これまでの活動が認められうれしい。社会的責任を果たせるよう、今後さらに発展させたい」と笑顔で語る。
ヤマメ養殖の傍ら500種3万本のシャクナゲ観賞、飲食ができる場として父が1990年に開業。跡を継いだ20年前の夏、釣りやつかみ取りが楽しめる「やまめ祭り」を初開催した。しかし来場者は150人ほどにとどまり従業員からあきれられたという。「お前が社長」との父の言葉に発奮しまつりを続けると着実にリピーターが増え、今では1万人超が訪れるまでになった。
「子どもたちに川に親しむ機会を提供しよう」と、施設そばを流れる沖水川を会場に川遊びや自然観察会などの体験を提供し始めたのは、現在副代表理事を務めるNPO法人大淀川ネットワークに入った約15年前から。救命胴衣を着けさせて安全に川と触れ合う術を指導。ヤマメの採卵時期には児童に作業を見学させ命の営みを学ばせている。
「幼少期の自然体験は貴重な思い出になり成長する上でとても大切。楽しい思い出ができれば川に対する愛着もわき河川愛護につながる」と説く。国交省九州河川協力団体連絡会の副会長で水防災チームリーダーを務める。環境大臣表彰など受賞歴も豊富で昨年は九州地方整備局国土交通行政功労表彰を受けた。「一歩一歩」がモットー。同町長田に妻(52)、長女(26)と3人暮らし。町議3期。53歳。