マッコウクジラがモデルの「巨大な5歳児マコちゃん」、ダイオウグソクムシがモチーフの「深海の掃除屋 ドン・グソク」―。県総合博物館で開催中の特別展「モンスター水族館」の公式キャラクター「水モン(水族館モンスター)」をデザインした。20種類以上のキャラクターに託したのは「生き物の世界の面白さを知ってほしい」との願いだ。
宮崎市佐土原町出身。自然豊かな環境で育ち、小学校の自由研究では庭に残された足跡から虫の種類を調査。生き物の多様性に魅了される中、高校時代の生物教師に憧れて教員を志し、県内の高校で2008年から10年間教壇に立った。
博物館に異動したのは18年。業務の違いに戸惑ったが、担当した特別展で、解説文を読んでもらうために昆虫のキャラクターを作ると、大きな反響があった。「分かりやすく伝える点では授業と同じだと気付いた」
キャラクターは授業のプリント作りで使っていた文書作成ソフト「ワード」で描く。生物の生態を「個性」に置き換えて性格や外見を設定。多いもので数百個の図形を組み合わせてデザインする。
水モンは企画から4年がかりで制作。身近な人から着想を得ることも多く、「マコちゃん」は頭部が大きいマッコウクジラを人間の子どもに重ね、5歳の長女をモデルにした。
妻や長女からの「ダメ出し」が魅力あるキャラクターを生み出す秘訣(ひけつ)。娘の友人に「水モンの開発者」と呼ばれるのが誇りという。専門はダニの研究で「いつか土壌動物の展示を」と夢見る。同町在住。40歳。