宮崎市フェニックス自然動物園の指定管理を担う第三セクターの社長に、民間出身者として初めて就任。「気軽に来園でき、期待以上のサービスを提供する施設を目指す」と表情を引き締める。

　前職はフェニックスリゾートのホテル事業本部長（上席執行役員）。同園を開園したのは敬愛する佐藤棟良さん（故人）という縁もあり、「（社長起用に）運命を感じている」と強い思いを抱く。

　これまでホテル「シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート」の経営に携わり、リビングガーデンの新設や県民向け「１泊５食プラン」など、顧客の体験価値を上げる事業を統括。培った施設産業のノウハウと、「強い信念で目標達成を諦めない」姿勢を新天地でも発揮する覚悟だ。

　着任して約１カ月。動物たちと心を通わせるかのように飼育や保護、体調管理に当たるスタッフを見て、「ここは命をつなぐ場所だと感動した。それを来園者にも伝えたい」。今後は、動物とより身近に触れ合える方法を模索していく。

　収益面では自助努力で改善できる来園者向け飲食メニュー開発と物販充実に着手。同じく指定管理先のフローランテ宮崎や同ホテルと連携した「お得感があるプラン」の設定など、「稼ぐ施設」へのアイデアも温める。

　中学卒業後、パイロットを夢見て、海上自衛隊に３年半在籍。教えられた「スマートで目先が利いて几帳面、負けじ魂、これぞ船乗り」の心得を今も大切にする。宮崎市花ケ島町に妻、長女と３人暮らし。高鍋町出身。５６歳。