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都城市出身のアニメーションクリエイター 外村史郎(とむら・しろう)さん

2022年8月18日
 7月中旬に都城市で母校・明道小の創立150周年記念イベントに登場した。監督を務めたアニメ映画「算法少女」(2016年公開)の上映後に講演。「好きなことを突き詰めて自分自身で知識を蓄えていってほしい」と後輩たちにエールを送った。

 同市の都城西高を卒業後、専門学校でグラフィックデザインなどを学んだ。俳優を志して劇団文学座に所属しながら、イラストレーターとしても活動。個展を開くなどするうち、絵を動かしてみたいとアニメーションに軸足を移すようになった。まずは動画投稿サイト「ユーチューブ」への短編アニメーション作品投稿から始め、各地の映画祭に参加するなどして実績を積んでいった。

 「算法少女」の地元での上映は5年ぶり。原作は江戸時代を舞台にした小説で、和算と呼ばれた日本独自の数学をテーマに少女たちの算法試合、友情の芽生えなどを描く。時代考証なども自ら綿密に行い、7年の歳月をかけて1人で作画した。「自分が描いたアニメに命が吹き込まれていく瞬間の喜びは何物にも代え難い。失われつつある日本の文化をつないでいくためにも、また時代劇に取り組んでみたい」

 フリーランスを経て現在は会社に所属し、テレビ番組や映画、ミュージックビデオなどのアニメーション、キャラクターデザインなどを手がける。帰省した際には山や庭で夢中で土いじりなど作業をする。「古里の原風景を五感で感じることは表現をする上でも糧になる」。散歩が息抜き。東京都杉並区に妻と暮らす。50歳。

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