全国の高校生が3人一組で競う大会。2年生の関谷ななみ、古谷明希歩さんと出場し、参加した30校60チームの頂点に立った。「最後まで緊張せず、楽しく戦えた」と笑顔を見せた。
自身の短歌の出来栄えに加え、歌の解釈や言葉の選択など、ディベートを重ねた上で勝敗が決まる。決勝用の作品は「超新星爆発したる恋心何億年後に君に届くか」と歌い、審査員から「スケールの大きい比喩が秀逸」と評された。「自分はまず使いたい言葉を決めて、そこからイメージを膨らませる。古谷さんは独特な世界観を持っていて、関谷さんはとことん明るい恋の歌。3人の個性がうまく作用した、いいチームだったと思う」と勝因を分析した。
大会は新型コロナ禍でここ2年、オンライン開催だったが、3年ぶりに対面で観客を入れて開かれた。「リモート参加の去年は分からなかったが、知らない人が『いい歌だったよ』と声をかけてくれたり客席から拍手や笑い声が届いたり、本当に独特な大会。勝ち進むほど出場者も見ている人も楽しめるのがいいところ」と振り返る。
部員5人と小所帯ながら、顧問や外部講師の指導を受け、放課後の作歌活動や他校との交流会を重ねてきた。10度出場し、うち9回は準決勝以上に駒を進めた名門だが、3年生が引退すると2年生2人だけとなる。来年は大会への参加も危ぶまれるが「今回の優勝で注目が集まると思う。先輩たちが築いてきたものを、受け継いでくれたらいい」と新たな後輩の加入に期待を込める。理数科3年生の18歳。