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宮崎県初のボッチャ強化指定選手となり国際大会で優勝した 竹之内和美(たけのうち・かずみ)さん

2022年9月2日
 オランダで8月に開かれたボッチャの世界大会「フェルドホーフェン2022ワールドチャレンジャー」に出場し、障害が最も重いBC3クラス女子の部で優勝した。

 ボッチャは赤と青に分かれて交互に球を投げ目標の白球までの近さを競う。多彩な戦術を駆使するため頭脳戦と評される。手足で投球できないBC3クラスで、選手の指示を受け補助器具を操作したり球の形を整えたりするアシスタントを双子の姉昭子さんが務め、共に栄冠を勝ち取った。

 16歳で関節リウマチを患い、症状は急速に悪化した。30代になり症状が安定し、障害者を雇用するIT企業に就職。在宅勤務する中、社長から「コミュニケーション力を高めるため何かやってみたら」と勧められた。7年前、ボッチャの体験会に参加。「これならできそう」と練習会に通うと見る間に実力が付き、日本選手権での活躍で本県初の強化指定選手となった。

 海外も国際大会も初だが「やってやるという気持ちで緊張もなかった」という。決勝の相手は予選で大敗した選手。「もう一度戦って勝ちたいと思っていた」と再戦を喜んだものの第3エンドまでリードを許す苦しい展開。最終の第4エンドで5―4と逆転を果たした。「やりきったという充足感とともに、姉にもメダルが授与されるので良かったなと」としみじみ振り返る。

 今後も強化指定選手になり、選考会を経なければ国際大会に出場できない。「競争は激しいけれど今後も頑張る」と顔を引き締めた。三股町長田で母(84)、姉の昭子さんと3人暮らし。52歳。

【写真】(C)Tomokazu Matsukawa

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