県内11地区の建設業協会長の中から互選で県協会の会長に就いた。「郷土の安全安心を守り、信頼される建設業を目指す」。国の緊急経済対策で光が差したとはいえ、業界を取り巻く環境が依然厳しいことを自覚しながら抱負を語る。
会員数は1997年度の約960社から減り続け、約500社。疲弊は深刻だ。「経済対策はありがたかったが、すでに人を削減してきているので、仕事を取りたくても取れなかった。少し水を吸い込んだが、まだ満ちていない」と表現する。
喫緊の課題は高齢化。「若い人がなじまない業界になっている。経営体質を変えないと大変なことになる」。具体策として賃金アップや休みを取れる工期の設定など労働環境の改善のほか、社会貢献やパソコンを駆使した最先端技術のアピールによるイメージアップも必要と考える。
県内では県が指名競争入札を“復活”させて試行中。「おおむね良好な結果報告を受けている。昔のような談合は一切ない」と断言する。
延岡市内で建設業を営む父の後を継ぐため、福岡県の大学を卒業後に帰郷した。地域になじもうと仕事の傍ら、消防団や青年会議所で活動。まつりのべおかの実行委員長も務めた。「そういう活動があったから今がある。建設業一本やりじゃなく、違った目で見ることができた」。好きな言葉は「感謝」だ。
同市貝の畑町で大学教授の妻(57)と母(87)と暮らす。家業は長男(31)が継ぐ予定で、足下の若手確保は一安心というところ。58歳。(報道部・足立希)