「新聞の在り方」をテーマに日本新聞協会が募集した新聞週間標語で、全国から集まった8750編の中から代表標語1編に選ばれた。2度目の応募でつかんだ最高賞に「熱量と気持ちを込めた作品が評価されてうれしい。これからも人の心を豊かにできる作品をつくりたい」と笑顔を見せる。
1970(昭和45)年、宮崎市生まれ。宮崎日大高を卒業後、社会に貢献できる勉強がしたいと日大法学部に入学。慣れない土地での生活で、友人や親の存在の大きさを改めて感じるようになった。「日々の感謝を伝えたい」。思いを表現する方法として選んだのが、詩などの短い文章だった。
就職で帰郷した後も執筆活動を継続。命の尊さや平和、絆などをテーマにした詩や童話の創作に取り組み、作品は本紙教育面や、子ども向け雑誌などに掲載された。
大学生の頃からの習慣は、毎朝新聞を読むこと。「より好みせずいろいろな情報が得られることが魅力」と語る。紙面を通じ、いじめ問題や貧困など、見えない場所で苦しむ人の存在も知った。周りに少し目を向けて、自分にできることを考えてほしい―。そのような思いを標語「無関心 やめると決めた 今日の記事」に込めた。
先の見えない、漠然とした不安がある時代だからこそ、心のよりどころになるような作品が必要だと痛感。「読んだ人がくすっと笑ったり、ほっこりしたりするような作品を書いていきたい」と意気込む。最近は米大リーグ・エンゼルス、大谷翔平選手の活躍に元気をもらう。宮崎市の自宅に妻と長男と暮らす。52歳。