大会最終日、勝負は1番ホール(パー5)でのプレーオフにもつれ込んだ。ラフからの3打目はピンまで残り150ヤード。7番アイアンで打った球は美しい放物線を描き、カップ横30センチでぴたっと止まった。対戦相手も称賛するスーパーショットで初優勝を決めると、「何よりほっとした。2位の賞状は何枚もあるが優勝は初めて。家族にいい報告ができる」と喜んだ。
運送業で周囲に誘われ、23歳からゴルフを始めた。のめり込み、1年でスコア100を切ると2年半でシングルプレーヤーに。「毎日ゴルフのことばかり考えていた。それ以外にやることがなかった」と冗談を飛ばす。
多くの大会に出場してきたが、優勝には縁がなかった。宮日シニアゴルフ選手権には5回目の出場。「最終組になり、スコアで前をいく選手に離されないよう食らいつくので必死だった」。ラウンド中は、スコアを考え過ぎずにボールを前に運ぶことだけを意識したという。「苦しい展開も多かったが淡々と粘りのプレーができた」と勝因を語る。
週末はほぼ必ずといっていいほどラウンドし、「それ以外の趣味は特にない」。ゴルフで築いた人間関係は人生の宝といい、一緒に回る友人らには「長く楽しめているのは彼らのおかげ。健康な限り一緒にプレーし続けたい」と感謝が尽きない。
長男(39)、次男(36)ともラウンドするが「気になるプレーがあると指摘してしまい、嫌がられる」と苦笑い。日向市内で妻と次男の3人暮らし。64歳。