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全国優良警察職員として警察庁長官賞詞を授与された 本田政弘(ほんだ・まさひろ)さん

2022年12月15日
 「粛々とやってきた仕事が認められたのかな」。40年の警察人生は主に刑事分野を歩き、中でも今年25年目の鑑識では逮捕の裏付けとなる数々の証拠採取や火災の原因究明などに貢献。実績が認められ、全国優良警察職員として警察庁長官表彰を受けた。

 日向高を卒業後、1982(昭和57)年に県警入り。高鍋署を振り出しに県警本部で機動捜査隊、都城署で刑事1課主任として捜査に従事し、小林署時代に34歳で初めて鑑識の道に進んだ。当初は写真撮影すら「おそるおそるだった」が、入院患者らの財布が盗まれる事件が管内で起き、自身が採取した指紋が証拠となり犯人が逮捕。「鑑識の仕事に魅力を感じるとともに、証拠を見極める重要性を実感した」と振り返る。

 捜査経験を生かし犯人の行動を推測する力と、証拠を蓄積し活用する力は群を抜く。現場に残された足跡や履物の資料をまとめたファイルを独自に作っており、その量は約13年分に及ぶ。「ページをめくり現場の足跡と見比べることで、その他の靴の情報も覚えられる」と話す。

 現在は日向署の鑑識係長として若手育成に力を注ぐ。現場では指示を出さず、署に戻ってから意見を述べるようにしており「それぞれが自分なりの手法や視点を確立することで証拠の見落としは少なくなる」と期待する。

 高鍋町の自宅に妻を残し、日向市の官舎に単身赴任。趣味は園芸と小学3年生の孫と遊ぶことで、「けんかすることもあるが本当にかわいい」と顔をほころばせる。門川町出身。59歳。

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