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県保護司会連合会会長を務める 黒木久典(くろぎ・ひさのり)さん

2023年3月1日
 本県の保護司の定数は605人だが、1月現在で564人と充足率は93・7%にとどまる。「高齢化や担い手不足は全国的な課題で、適任者の確保が必要。社会貢献や社会奉仕に興味のある人は、ぜひ保護司になっていただきたい」と呼びかける。

 自身は日向市役所の総務係長時代、上司から「社会に貢献する年齢になった」と言われ、保護司の道に。日向地区保護司会の事務局長や会長を務める傍ら、多いときは年間2人の保護対象者を担当。2022年11月に県保護司会連合会の会長に就いた。

 「犯罪を犯す人にはさまざまな事情があるが、根っから悪い人はいない。孤独を抱え、そうせざるを得ない事情を受け止めてあげることが大事」と話す。「面談の約束をして時間を守ってきてくれるとうれしい。話を聞き、犯罪を犯さない状態に更生して社会に戻ってもらった時の喜びは大きい」と、29年間の活動を振り返る。

 21年に戦後最少だった全国の刑法犯認知件数は22年、20年ぶりに増加に転じた。「犯罪に占める再犯の割合は増加傾向にある」。保護司の役割の重要性を改めて痛感する一方、「これを防ぐために、地域を含めて考える必要がある。県内自治体の再犯防止計画は急務」と策定を訴える考えだ。

 趣味の俳句歴は30年以上。俳句結社椎の実の同人会長を務めるほか、複数の俳句会を取りまとめる。日向市内の愛好家でつくるひむかハーモニカでは指導者の立場。「保護司活動と趣味で毎日大忙し」。同市出身。子ども3人は独立し、同市塩見に妻と2人暮らし。73歳。

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