通算約6年携わったスクール指導を今月で離れる。優勝が決まった瞬間は、うれしさより「無事に終わった」という安堵(あんど)感に包まれ、大きなけがなく有終の美を飾った子どもたちを笑顔で迎えた。
日向市出身。高鍋高で競技に出合い花園を目指すが、県予選では準優勝が最高。東京学芸大でも打ち込み、帰郷後は体育教諭として東海中や住吉中でラグビー部を指揮した。
県南部教育事務所への転勤を機にスクールコーチに就くと、重視したのは「自分たちで考えるラグビー」。子ども同士が戦略を話し合う時間を大切にし、試合に入れば選手を信じる。「磨き続けた判断力はラグビー以外にも必ず生きる」と伝えてきた。
パスやキックなどあらゆるスキルを駆使してトライに持ち込む形が理想。「一人一人が『自分の動きがあったから得点につながった』と楽しさを感じられるのがラグビー。きつさから逃げずに、乗り越えた先の喜びを感じられる人間に育ってほしい」と強調する。
宮崎市花山手に家族5人暮らし。長女(19)と長男(17)はスクール卒生で、次男の勝喜君(12)は今大会優勝の立役者。コロナ禍でスクールでの練習ができない間は親子で特訓を重ねた。息子の指導にはつい熱くなりがちだが、「やった分だけ力が付くと実感してくれた」と目を細める。4月から中学でも競技を続ける次男に「今後はわが子の指導に集中」と笑顔。
現在は県スポーツ振興課で学校保健の事務などを担当。甘い物に目がなく、職場では「スイーツ王」の異名も。47歳。