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フランスで開かれる国際アビリンピックに出場する 北村重雄(きたむら・しげお)さん

2023年3月17日
 障害者が職業技術などを競う世界大会「第10回国際アビリンピック」に、日本代表として派遣される。大会は今月下旬にフランスで開かれ、ブラウスを縫う洋裁(基礎)部門に出場。緊張感も感じているが、「初めての海外でわくわくしている」。

 2012年に延岡市の旭化成アビリティ営業所に入った。半年後に県大会があり、もともと手先が器用だったことから、白羽の矢が立った。洋裁技能士につきっきりで指導を受け、初出場で金メダルを勝ち取った。本県代表で臨んだ全国大会でも銅メダルに輝いたが、悔しさが残った。

 雪辱を期した2016年の全国大会で、見事金メダルを獲得。職場の所長や指導者も涙を流して喜ぶ姿に「みんなの支えで取れた。今までで一番うれしかった」。この大会で世界大会への道が開け、20年の選考会で出場が正式に決まった。

 県勢の世界大会出場は1985(昭和60)年以来、38年ぶり。県、全国大会とは出される課題も異なり「覚えることがいっぱい」。東京であった講習会に参加し、手に動きを覚えさせるために家でも針を持った。

 職場では繰り返しブラウスを作り、練習漬けの日々を送る。本番が間近に控え、不安はまだ大きいが「練習の成果を出して、しっかり完成させたい」と気負いはない。

 普段の業務は、ミシンでネームタグを刺しゅうしたり、作業服の裾上げをしたり。入社から10年がたち、後輩に頼られる存在となっている。日向市富高に両親らと5人暮らし。ユーチューブでゲーム実況を見るのが楽しみな33歳。

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