人口減少時代を前提に本県の成長戦略を描いた「県総合計画アクションプラン」(2023~26年度、6月策定予定)のかじ取り役に就いた。人口減対策は部局横断で取り組む最重要課題。「『宮崎再生』へ責任の重さを痛感している。既存の枠組みにとらわれず、若い人に暮らしたいと思われる場所にしたい」と覚悟をにじませる。
新船2隻体制となったカーフェリーの活用、航空便の国際線定期路線復活、バス、JRなど公共交通網の維持、国民スポーツ大会の施設整備と競技力向上など県の課題は山積。「経済状況も刻一刻と変化している。一度決めたことに固執せず、しなやかに立ち回っていく」と語る。新型コロナウイルス感染症への臨機応変な対策が求められた前任の福祉保健部長としての経験も生かす考えだ。
県庁生活では主に人事、財政などを担当。16年には河野知事肝いりのフードビジネス推進課長に就任。この時の経験をキャリアの転機の一つととらえ、「産業に関わる人たちと多くの関わりを持つことができたのは大きな財産」と語る。自身の経験も踏まえ、職員には「市町村や民間など外部と向き合っていこう」と語りかけている。
昨年10月、1年間延期していた長男の結婚式があり、ウィズコロナからポストコロナへの変化を公私ともに実感。コロナ対応などに追われたここ数年間、趣味の渓流釣りは封印していたが、「最近、道具一式引っ張り出し手入れを始めた」と顔をほころばせた。延岡市出身。宮崎市に妻と2人暮らし。58歳。
【写真】県総合政策部町に就任した重黒木清さん