人前で話すのも苦手な性格だった。宮崎大宮高で柔道を本格的に始め、鍛錬を積んで強くなっていくうち、自分に自信が持てるようになった。スポーツが持つ力、可能性は身をもって知っている。今春、宮崎南高校長に着任し、県高校体育連盟のトップに就いた。「部活動は生きる力を育む。とことんやってみてほしい」と生徒たちにエールを送る。
宮崎市出身。宮崎大卒業後、教員として初任校のえびの市・飯野中で柔道部顧問に。以来、各地の高校で競技指導歴は30年。教え子には恩師や地域住民との「一期一会」を大切にするよう伝えてきた。自身も柔道や教育で迷った時に高校、大学の恩師らに相談できる関係を重視し築いてきた。「(出会いは)若い時は点と点だが、将来は線で結び付く。恩を次の世代につなげていきたい」
高校スポーツの祭典・県総体は今年、50周年の節目を迎える。「総体があることで地域と交流も生まれる。しっかり成功させる」と気を引き締める。
さらに見据えるのは4年後に本県で開催予定の国民スポーツ大会。最高の舞台で力を発揮できるアスリート育成をサポートしていく決意だ。一方で「勝ちにこだわりすぎている部分もある」と現状を指摘。「スポーツを楽しむことを見失っていないか注視したい。競技力向上と、楽しむという観点で、その両輪を回していくことが大事」と強調する。
福島高勤務時に部活動で活躍する生徒たちに影響を受け、レスリング観戦が趣味。長男と長女は独立し、宮崎市北権現町に妻と2人暮らし。58歳。