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全国優秀警察職員表彰の警察功労章を受章した 櫛山敬信(くしやま・たかのぶ)さん

2023年5月4日
 本県で唯一、本年度の全国優秀警察職員に選ばれた。28年間交通部門の業務に励み、うち12年間は白バイ隊員として交通指導、取り締まりに尽力。卓越した手腕と努力が評価された。「小さな積み重ねと周りの支えがあったから、ここまで来ることができた」と笑顔を見せる。

 「質実剛健」を信条に「人の役に立ち、体を動かす仕事がしたい」という思いが、警察官の道へと背中を押した。1992年に県警入り。延岡署に配属されて3年目、「交通部門への向き合い方が変わった忘れられない光景」に遭遇したという。

 夜間の当直勤務中だった。「山から車両が転落した」という通報が入り現場へ急行すると、山道から約30メートル下の川辺に1台のトレーラーが横倒しになっていた。周りには運転手の男性に贈られたご祝儀袋が散乱していた。「赤ちゃんが生まれたばかりだったようだ」。交通事故の悲惨さを改めて思い知らされた。

 以降も白バイ隊員としてスピード違反や一時不停止、歩行者妨害など、多くの違反者を指導してきたが、「感謝をされることは少なかった」と苦笑い。それでも「時速が5キロ違えば人の生死につながることを心得ているからこそ、力を尽くすことができた」。

 ドライブが日々の息抜き。愛車でマニュアルの軽自動車を運転していると、時間を忘れることができる。「休日は3人の孫と遊び、成長を見守ることが楽しみ」と目尻を下げた。小林市出身。宮崎市で妻と2人暮らし。57歳。

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