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宮崎海上保安部長に就任した 横内伸明(よこうち・のぶあき)さん

2023年5月5日
 21年ぶりに故郷宮崎での勤務となった。「『おかえり』という温かい言葉を多数いただいた。うれしく思うと同時に、部長という職責の重要性から緊張とプレッシャーを感じている」

 日向灘から鹿児島県の一部を含む志布志湾まで、海岸線約400キロ、面積約2万平方キロに及ぶ広大な海域を管轄するトップに就いた。海域は漁業や物流の経済活動のほか、釣り、サーフィンといったレジャーも盛んで、海の安全と治安の確保が最重要任務となる。

 座右の銘は「正義仁愛」。海上保安庁の初代長官が庁発足時に訓示した言葉だ。「正義」とは海上治安維持によって立つ精神で、「仁愛」は人命保護と航行安全の象徴という。「これまでも、そしてこれからも、この正義仁愛の精神で海上保安業務に当たっていく」と力強い。

 前任は第1管区海上保安本部(北海道・小樽)警備救難部次長。昨年4月に知床半島沖で発生した観光船沈没事故では、1管代表として現地で指揮を執り、被害家族との対応にも当たった。

 自身の父親も民間商船の船乗りで大型貨物船との衝突で沈没し、24年がたとうとする今も行方不明のままだ。それだけに被害家族の心情を理解し、親身になって寄り添ってきた。「悲しみに暮れる姿を目の当たりにし、船舶や海洋レジャーにおける安全対策の重要性を再認識させられた」とかみしめる。

 ランニング、筋トレ、ソフトボールのほか、家庭菜園など多趣味。千葉県に妻、娘2人を残し単身赴任。宮崎市佐土原町出身。48歳。

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