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看護師として初めて県立宮崎病院副院長になった 中川美紀(なかがわ・みき)さん

2023年5月14日
 これまで医師が担うことが多かった宮崎市の県立宮崎病院副院長に看護師として初めて就任。「患者さんが安心できる医療を提供したいという思いを実現するため、少しずつでも前に進んでいく努力をしていきたい」と静かな口調に決意がにじむ。

 5人いる副院長のうち、働き方などの改善業務を担う。長年、看護師の視点から人づくりや働き方に力を尽くした経験を生かしたい考えだ。2016年、勤務していた県病院局経営管理課で看護学校担当者から突き放された苦い思い出がある。「出退勤のため若い女性を夜中に移動させるような病院には学生を就職させたくない」。当時、県立3病院の勤務は3交代制。自身も日勤を終え、西都市の自宅に帰宅して家事や育児、約1時間の仮眠を取って再び深夜勤務という毎日を送っていた。「2交代制の導入は自分に課されたもの」。20年度から県立宮崎病院では看護部長を務め、数年間2交代制の試行を重ね、22年の新病院開院に合わせ全部署での導入が実現した。

 同市出身で妻高卒業後、大阪府内の看護学校に進学し、大阪赤十字病院に勤務していた1990年に父の介護のためUターン。2度の県病院局以外は、全て県立宮崎病院に勤務した。看護師にとどまらず「院内の医療職が充実感をもって働ける働き方の実現へ、全体を俯瞰(ふかん)しながら効率的な仕事の分担を進めていきたい」と意欲を示す。

 夫と同市内で暮らす。看護の道に進み県内医療機関勤務の次男に4月、初孫の男の子が生まれたばかりで、「世界で一番かわいい」と相好を崩す。58歳。

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