県職員を定年退職してから4年、再び県政に携わる。女性初の識見監査委員、代表監査委員となるが、気負いはない。「県民のために尽くせる、責任ある大役。緊張感をワクワク感に変えながら挑みたい」と声を弾ませる。
監査業務は、主に県の財務に関する事務について法令違反がないか、効率的に行われているかなどを検証する。38年間の県職員としての経験から、ミスの多くはヒューマンエラーと認識し、職員には専門性の高い知識を、組織にはミスを未然に防ぐチェック体制の構築を求める。
上役にも萎縮せず、自由に意見を言い合える職場がその礎になるとみており、「職員が成長できる環境となっているか、注視していく」と意気込む。一方、「社会の仕組みも人の考え方も変わっていく。伝統や経験則に固執せず、アンテナを高く張り続けたい」と変化を恐れず、柔軟に対応していく考えだ。
現職時代は福祉保健部の勤務が計14年と最も長く、こども政策課長や福祉保健部長を歴任した。また、環境森林部長に就任した当時は、16年ぶりの女性部長誕生と注目された。
女性活躍のロールモデルとして期待される中、「自分の存在が若い人のモチベーション向上につながればうれしい。任期の4年間で確かな足跡を残したい」と誓う。
最近、自炊に目覚め「手料理とおいしいお酒を味わう時が一番の幸せ」とほほ笑む。かつては酒豪として知られたが「すっかり弱くなった。看板を下ろします」。夫と宮崎市で2人暮らし。64歳。