「県民の安全安心を守る一助となる仕事に誇りを持ち、一つ一つの事件に誠実に取り組む」。宮崎地検のトップとして掲げた明快な抱負には「検察としての責務を果たす」との強い決意がにじむ。
「正しいと胸を張れる仕事がしたい」と、能動的に事件の真実に迫ることができる検察官を志した。早稲田大法学部卒業後、1996年に東京地検で任官。同地検特捜部副部長や特別公判部長などを歴任し、知能犯事件を中心に数多くの事件を経験した。「被疑者や被害者、関係者に対して何ができるか」。常に自問しながら、誠意を持って事件に取り組んできた。
現場勤務が長く「事件と向き合う際、被疑者に共感できるところを探すタイプ」と話す。東京地検では通算7年間特捜部に在籍し、「一から捜査をすることで警察の大変さと重要性を再認識した」と振り返る。 座右の銘は「天網恢々(てんもうかいかい)疎にして漏らさず」。「悪い人間は必ず捕まる。そんな世の中であってほしいし、そうしたい」。
着任会見では「県警をはじめ関係機関と連携し、適正かつ迅速に職務を遂行する」と強調。初の検事正ポストに就き、「県民が『治安が悪化した』と感じないようにすることが、私たちの存在意義」と力を込める。地検職員には「緊張感と誇りを持って仕事をしてほしい」と呼びかけた。
東京都出身で本県勤務は初。「早速チキン南蛮や辛麺などのご当地料理をおいしくいただいた」と頬を緩める。今後は景勝地などを巡ることが楽しみという。宮崎市の官舎で1人暮らし。55歳。