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宮崎公立大の学長になった 辻 利則(つじ・としのり)さん

2023年6月1日
 開学30周年を迎えた宮崎公立大の第9代学長に就任した。「学生も教職員も『楽しい』と思える大学を目指し、積極的に地域に飛びだしたい。プレーイングマネジャーとして役割を全うする」。開学当初から籍を置く大学のトップとして強い決意をにじませる。

 専門分野はシステム工学、災害情報、地域政策。主に情報技術(IT)を活用した地域課題解決に取り組んできた。インターネットが普及し始めた2002年に県内の車いす用トイレの一覧サイトをまとめたり、最近ではスマートフォンで高齢者の見守り情報を共有するシステムをつくったり。「地域活動に携わる人が楽になる仕組みをつくり、関わる人を増やせれば」との思いを描く。

 大学の特徴は、固定観念なく自由な思考を身に付ける「リベラルアーツ教育」。課程は1学部のみ、1学年の定員200人と小規模だが「応用力のある人材が育ち、就職先からの評価も高い」と強みを説く。一方「教育内容を対外的にうまく見せられていない」と、10年が経過した現在のカリキュラムの見直しに着手する方針だ。

 学生主体で学内に高齢者を招くサロン活動などを通し「若い力が地域を活性化させる」と実感。留学や国際貢献に積極的な学生も多く「やりたいことを実現できるサポート体制も充実させたい」。

 独学したプログラミングが趣味で、コロナ禍では自ら構築した動画配信システムが遠隔授業に役立った。野球部の部長も長く務める。宮崎市小松台南町に家族3人暮らし。えびの市出身。59歳。

【写真】ひと/宮崎公立大の学長になった/●利則さん

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